建設業の企業体質強化―組織文化から成長戦略まで

松本顧問

建設業において、企業の体質強化は長期的な成功の鍵となります。以下に、建設業向けの企業体質強化の重要な要素と手段を紹介します。

目次

企業体質強化の要素

組織文化の確立

組織の理念や価値観を共有し、職員が自発的に行動できる文化を築くことが重要です。トップダウンでの理念の明確化や職員参加型の研修などが有効です。

リスクマネジメントの強化

事業にはリスクがつきものです。リスク管理体制を整備することが必要です。

人材育成の推進

職員の能力開発や意欲向上を促進することで、企業体質の強化につながります。継続的な教育・研修の提供やキャリアパスの整備などが有効です。

経営者のリーダーシップ強化

経営者がリーダーシップを発揮し、職員とのコミュニケーションを密にすることが重要です。ビジョンの共有や職員のフィードバックに対する改善点の実行などが経営者の役割です。

企業体質強化の手段

以下は、建設業における企業体質強化の手段です。

✔銀行からの借り入れに過度に依存した体質を改める
✔増資による自己資本の充実
✔私募債など直接金融の導入
✔収益体質の向上
✔資金調達体制の整備・多様化
✔キャシュフロー重視の販売・受注体制に転換
✔中期的な成長分野・業種への進出を活性化
✔社員の能力向上に関する人事制度の活性化
✔社外取締役制度など、経営体制の近代化

今、誰が売っても同じという時代ではない。やはり、センスがあって能力があって、しかも努力している人でないと売れません。供給者の側を鍛えるしかないです。そこで何故、頑張れるのか、それはミッション(使命感)があるかどうかであります。利益はその次、目的ではなく手段です。

経営者と企業のあり方

その1

下手にリーダーシップを発揮して、会社全体を引っ張るようなことはせず、部下に自由にやらせながら、結果を厳しくチェックしているだけでよく、勘違いをしている経営者は、自らリーダーシップを発揮してしまって、仕事のやり方そのものを指導してしまいます。

✔トップが自ら答えを出すのではなく、みんなが活性化するような仕掛けを作るのが経営者の仕事である。
業務の企画立案は現場から出せるようにする。
✔ スタッフを評価するのは、経営者ではなくマーケット・顧客である。⇒この視点を経営者が持てるか、判断できるかが問われています。

その2 

仕事には2つの機能があります。1つは所得を得ること。2つはそこで生きがいを得ること。これからの社会は今まで以上に、大変厳しい時代、何もつまらない仕事にしがみついて苦労するより、好きな仕事をしていた方が、ずっと楽しく健康的であります。

その3

勝った武将はいずれも、自軍のハンディを埋めることなど考えず、不利を有利に変えることができた人です。

その4

司令官に必要なのは、創造力。不利を補うのは誠実な努力で充分だが、逆転させるのは、発想の転換ができる創造力が必要とされます。

✔価値観の転換
✔どれだけ生産するかでなく、何を生産するかである
✔従来の価値観にとらわれず、次のステージに立ち向かう勇気を持つことだ

その5

与えられたことをする。云われたことをする。ではダメです。  

取り組む課題を自分で探し、そして決めるという自立した思考が個人に求められています。

その6

企業の職員は、自分たちと同じような共通認識を持ち、企業文化・価値観を共有できるかどうか。そして、自分の頭でモノを考える人間を育てることが、非常に重要となります。

その7

いずれの成功している企業は、いち早く新しい成長の仕組みを作り出すことで、スピードアップとコスト低減を図り、強い競争力を生み出すことに成功しています。

その8

MT(製造技術)とIT(情報技術)の融合によって、新しい価値を生み出します。高度な知的作業が大切です。そのようなスタッフを組織がどれだけ抱えているかが、成功の要因となります。

その9

うまくいく方法は、どこも異なっているが失敗のパターンはすべて共通点があります。 異業種の失敗事例を参考の種にする発想が大切です。

その10

人間どの道を選ぶにしろ大いなる成功を収めるには、運が必要です。だが、好運を得るには努力、実力、忍耐が必要です。成功者の好運は、運を逃がさず絶えず努力をし、運に乗って飛躍できるだけの実力を養い、運が来るまでの苦難に耐える忍耐との成果なのであります。しかし、好運だけでは成功しない、努力、実力、忍耐が必要条件であります。

その11

自分の頭で考えて、行動できるスタッフの養成が大切である。

生き残る企業

生き残る企業

製品の質を向上させる
②価格を引き下げる
サービスを改善させる=顧客に提供する価値を高めた
 ✔価値のレベルを高めることで、同業他社と差別化して生き残って来た。
 ✔あらゆる面で、優れているわけでなく自分の顧客が気にかける面で優れている。
  価値のある一要素を卓越したレベルに磨き上げ、他の競争相手に悔しい思いをさせている。

各企業の価値理念は次のどれを追求したか?

①コスト?
②製品?
③サービス?

この絞り込みをしないと業界のリーダーになれません。 業界によって選択は違います。

従業員の採用、発掘、訓練が大切。後継者の育成をしないと、業界のリーダーになれません。会社の勢いが止まってしまます。

カスタマー・インティマシー(顧客との親密性の徹底的追求)とは、市場が欲するのでなく、ある特定の顧客が欲するモノを提供します。その人達が必要とする製品、サービスを良く知ることで商売を成立させます。

絶えずそうした製品とサービスを仕立てて、妥当な価格で販売します。

松本顧問

会社は生き物で、企業体質の強化は一朝一夕で実現するモノでも、出来るモノではなく、長期的な取り組みが必要です。社長の器以上の会社は作れないので、社長自身の成長がキーですね。 
がんばれ社長さん‼

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この記事を書いた人

アスリンクの顧問を務めています。
建設業界の皆さまにお役に立てる情報発信をしています。

一級建築士40年。
趣味は山登りと囲碁。余生を楽しんでおります。

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