前回の記事では建設業界の人手不足についてお話をききました。
そうでしたね。今回は建設業の若者離れに対して、官民でどんな対策が取り組まれているのかご紹介します。
若者離れを防ぐ対策 4つ
賃金の改善
建設業の平均給与は511万円で、国内全体の平均給与が443万円であることを考慮すると、決して低い金額ではありません。しかしながら、業務の肉体的負荷や作業の危険性を考えた場合、高い賃金ともいえません。若者離れを阻止するためには賃金と処遇を見直し、労力に見合った対価を提供する財務体制を構築する必要があります。
長時間労働の是正
2024年4月より建設業にも残業時間の上限規制が適用され、違反した事業者は罰則の対象となります。業界内では「建設業の2024年問題」として危惧されていますが、古い組織風土や企業文化を脱却し、ワークライフバランスを推進する絶好の機会になります。働き方改革を推進し、労働環境を改善すれば、「きつい」「危険」「汚い」という建設業のイメージを払拭し、若者離れを防止する可能性が高まることに繫がります。
週休2日制の普及
長時間労働の是正に含まれますが、建設業においても「罰則付き時間外労働上限規制」が適用されることを踏まえ「週休2日制」の推進も注目されております。
週休2日制を実現させるためには、適正な工期設定の推進も必要不可欠です。そのうえで、受発注者双方の理解と協力の下に取り組むべき事項を指針として取りまとめた「適正な工期設定等のためのガイドライン」が策定されています。適正な工期が設定されたうえで週休2日制が導入されれば長時間労働の是正が期待されます。
ITツールの活用による生産性向上
建設現場にITツールを導入することも若者離れを防ぎます。
昨今ではデジタル化が進み、建設関連のITツールが出回るようになりましたが、まだまだ業界全体には普及していない状況です。そのため、建設業は他産業に比べて生産性が低く、生産性の向上が課題になっています。
前述しましたが、長時間労働の是正、週休2日の確保等を推進していかなければならないので、より一層の生産性向上が必要不可欠です。生産性を向上させる手段として業務の効率化があります。業務の効率化はITツールの活用によって実現可能です。
業務効率の向上で魅力ある労働環境を
建設業は3K「きつい」「汚い」「危険」のイメージが根強く残っていますが、働き方改革の推進や雇用条件の改善によって業界全体のイメージが変わるタイミングです。若者の建設業への入職・定着を促進させるために、建設業の魅力を発信していくことも重要ですが、その前に環境を整えておくことも重要です。環境を整えた上で魅力を発信したほうが若者の興味や関心が高まり効果的だと考えます。
労働環境が整えば、若者が建設業会に魅力を感じて、より多くの若者が建設業に入ってくることを今後期待したいですね。本日はありがとうございました。
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